健康と教育①
今日は以前紹介したHarvard大学カワチ教授の講義から特に興味深かった「健康と教育」について紹介したいと思います!!
子育て世代必見なんじゃないんでしょうか?笑
●健康と教育の関係とは?
まずはこのグラフを見てください。参考)Health, United States, SES and Health Chartbook 1998
このグラフは教育年数が各棒グラフの棒の色で表されており、縦軸は10万人あたりの死亡数です。
グラフから男性でも女性でも教育年数が長いほど、死亡数が少ない事がわかります。
教育を受けるほど健康になるのか、健康だから教育が受けられているだけなのか。
果たしてどちらなんでしょうか。
「健康と教育」全2回にわたって解説していきたいと思います!!
実はこれに関連した面白い研究があります。
A) High/Scope Perry Pre-School Program
B) Abecedarian Program
という研究です。
Perry Programは1962年から1967年にかけて行われた小学校に入る前の子どもに強力な教育を行った研究で、収入の低い家庭の123名の3‐4歳の子ども達が研究に登録されました。
修士資格のある先生が平日毎朝2.5時間+週末90分の教育を行っています。1年間で30週実施し、2年間続け、そのあとの人生を40歳になるまで観察が行われています。
Abecedarian Programは1972年から1977年に行われ、小学校に入る前の子どもに強力な教育を行っています。
収入の低い家庭の111人の4か月の乳児が対象となり、なんと1日8時間の教育を週に5日、5年間行い、さらに1年生から3年生にかけても追加教育が行われています。1年間で50週実施し、その後を21歳まで追跡しています。
こんな研究、そもそも行われていた事に驚きですが、現代ではもう絶対に行われないような内容ですね。笑
さて、、、、、注目の結果です!!!!!
まずはAのPerry Programです。
この図は27歳時点での結果を示した図です。
赤の棒が強力な教育を行った群で、青の棒が介入を行わなかった群です。
左側がその後の進学、右側がその後の経済力を比較しています。
介入を行った群の進学の結果は
特別な教育を必要とする割合が少なく、上位10%以内の成績を約50%が達成し、高校卒業者は65%でした。
時代が今とは異なるので”ん?”となる部分もありますが、介入してない群と比べて全然違いますね。
続いて、介入を行った群での経済力の結果です。
月2000ドル以上稼ぐ人、マイホームを所有している人、福祉サービスを受けた事のない人の割合、すべての項目で介入を行っていない群よりいい結果となっています。
続いて、これがAbecedarian Programの結果です。
こちらでもコントロール群と比較して介入群でその後の進学や喫煙など生活習慣、職種などが異なっています。
●なぜこのように早期からの教育がユニークにパワフルなの?
一つの答えは早期からの教育は遂行機能と自己調整能力を向上させるということです。
我々は誰しもこの潜在的にこれらの能力をもっており、幼児期から青年期にかけて経験や環境によって形成されいくと考えられています。
最後まで見て頂きありがとうございました。