カンボジア実習を終えて
昨日、カンボジアのプノンペンでの3日間の実習を終え、今から日本に帰ります。
昨日は山高先生率いる順天堂小児外科で医局長をされている岡和田先生(MBAホルダーでもあります)や院長の林先生とたくさんお話しできる機会もあり、本当に学びが多く、有意義な実習をさせて頂く事ができました。
Sunrise Japan Hospitalは北原国際病院念願の日本の医療のパッケージ輸出という構想の第一弾としてカンボジアに設立された病院で、アジア進出の試金石ともなっています。
ーー医療輸出について
日本の増加し続ける医療費は40兆円にも達しますが、その医療を産業化できれば自動車産業を超える産業が日本に生まれる可能性があります。
イギリスの政府によってコントロールされた医療も見てきたので、医療において中央集権的なコントロールの重要性ももちろん認識しています。ただ、その中の一部、産業化できる部分も大いにあると思います。
特に高齢者が増え続ける日本社会で、あらゆる市場が収縮していくなかこれからも需要の増大が見込まれるのが医療という分野です。
しかし一方で、医療は輸入超過産業でもあります。
医療機器や医薬品もそうですが、研究の分野(特に臨床研究)、臨床の分野でも国際ガイドラインの作成への参画などの面でも輸入超過といえるかもしれません。
これらの意味でもより日本が海外へ進出していく必要性は高いと言えるかもしれません。
ーーカンボジアへ
世界の途上国には自国内で十分な医療を行う事ができない国もたくさんあります。
そういったところには日本が医療を輸出する事で互いのニーズが一致すると考えられます。そういった国のひとつがカンボジアだったのだと思います。
カンボジアは1970年代のポルポト政権による国民の4分の1を殺したクメールルージュの大虐殺を経て、生き残った医師は40人ほどだったというデータもあります(特に知識層が殺された)
ポルポト政権終結後、民主化が進み、近年は経済が急速に成長し、中間層や高所得者層が増加してきています。
しかし、医療は結局マンパワーが重要で、ポルポト政権後40人しか医師がいなかったこともあり、経済発達と医療の発達には解離があります。
そのような状況なのでカンボジア人たちは医療が必要になるとシンガポールやベトナムへ行って医療を受けるため、カンボジアの富の流出にもつながっているのが現状です。
日本が現地で病院を建ててカンボジア人が自国で医療を受けられるようにする。
さらに現地の医療人の教育にも力をいれ、カンボジア医療の底上げを実現する。
海外に医療進出する病院の多くは高額な健診サービスや美容外科など富裕層ばかりにターゲットを絞った病院が多いですが、Sunrise Japan Hospitalは脳外科や消化器外科などクリティカルな診療科で、中間層を対象にした価格設定などを行い、医療輸出のあるべき姿を見られたような気がします。
医療は結局、国内問題で、その国の医療の自立を促すことができるような形でその国に根差した持続可能な支援が必要なのではないかと感じました。
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