プライマリ・ケアは世界的潮流。英国家庭医、澤先生のインタビュー記事を公開しました。
こんにちわ。
今回はついに昨年12月にイギリスで取材した澤先生のインタビューを公開します。
英国での実習期間中はよくブログを投稿していたのですが、実はあの時に最南端の街、イーストボーンから北のリーズまで取材にいったんです。
イギリスは医師の割合の多くをGPと呼ばれる家庭医が占めており、日本の厚生労働省にあたるNHSのもと、プライマリ・ケアに力を入れている国です。
そんなイギリスで医師になった澤先生が、どうしてGPの道にすすんだのか、プライマリ・ケアの本質とはいったい何なのか。
取材中、優しく落ち着いた雰囲気の澤先生の胸のうちにある「アツい」想いをひしひしと感じました。
そんな雰囲気が読者の皆様にも伝わりますと、幸いです。
↓以下のURLからどうぞ。
医療輸出の最前線、カンボジアから林先生のインタビュー記事を公開します!
お久しぶりの投稿です。
医大生として続けていたブログもついに研修医となってしまいこのままのタイトルで続けていいのか迷っていたら全然投稿できていませんでした(笑)
慣れない土地での研修医生活、なかなか思ったようには行かない日々や思ったような成長ができていない事に対する焦りなどありましたが、
尊敬する上の先生に焦りすぎを指摘され、目の前の患者さんを大事にすることで患者さんから日々たくさんの学びが得られることを教えて頂きました。
小さな一言ですが、自分の中ではハッとさせられた一言でした。
まだまだ始まったばかりの研修医生活、これからも初心を忘れず頑張りたいと思います。
そして、、、、今回の記事紹介です!!
今回は春休みにカンボジアに実習に行った際に取らせて頂いたインビューです。当ブログでもカンボジアでの実習について書かせて頂きましたが、記事ではかなり細かいことなどにも触れ、医療輸出という難しい分野をできるだけわかりやすく解説して頂きました。
以下、記事の紹介文です。
安倍政権が掲げる「日本再興戦略」。
その成長戦略の一端を担う「健康・医療戦略」では「質の高いインフラの輸出」の一環として、日本式医療の海外展開が挙げられています。
日本の医療輸出の形としては主にNPOなどによるボランティア、JICAによる保健医療事業、厚生労働省による医療インフラの輸出、経済産業省によるヘルスケア拠点の構築などを通して行われています。
今回はそんな医療輸出の分野で経済産業省とタッグを組み、民間病院でアジアに打って出る北原国際病院、その最前線であるカンボジアで病院長を務める脳神経外科医林祥史先生に取材に行き、医療輸出や自身のキャリアについてなど様々なお話を聞いてきました。
インタビュー本編は以下のリンクよりどうぞ!!
黒川清先生のインタビュー記事を公開します!
医学界だけに留まらず、原発事故調査をはじめ、あらゆる分野を股にかけ、世界で活躍する黒川清先生。
catalystでは、学生に向けて医師の多様なキャリアを紹介する企画を行なっていますが、この企画をやると決めた時、医師のキャリアを学ぶ上で絶対に外せないのは、黒川先生のインタビューだと考えてきました。
活躍の幅が医師としてのキャリアに収まらない先生ではありますが、医療の幅がどんどん広がってきている今だからこそ、そんな黒川先生のお話しが一層重要と感じています。
僕が最初に黒川先生を知ったのは医学部に合格した6年前です。それは、これからスタートする医学部での学生生活をどのように過ごそうか考えているときでした。
これまで、医学部合格という一点に向かって進んできた生活は、医学部合格という一つのゴールを迎え、私はこれからの学生生活の指針となる新たな目標を探していました。
そんなときに、ふと書店で手に取った「世界級キャリアの作り方」という書籍、それは黒川先生の著書でした。
医学教育を受けてからでは異質に感じうるような黒川先生の話は、医学部教育について無知であった当時の私に、何の偏見もなくすんなりと自分の中に入っていきました。
このように、医学部入学前に学生生活の指針を与えて頂いた方は黒川先生でした。
そんな黒川先生に、医学部6年生という、今にも学生生活が終わる時期に、ついにご本人に直接お会いでき、インタビューさせて頂くことができました。
これは私にとってとても運命的なことであり、大変幸運なことだったと心より感じております。
快くインタビューを引き受けて頂いた黒川先生、ご協力いただいた先生方にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
誠にありがとうございました。
インタビュー本編は下記リンクへどうぞ!
カンボジア実習を終えて
昨日、カンボジアのプノンペンでの3日間の実習を終え、今から日本に帰ります。
昨日は山高先生率いる順天堂小児外科で医局長をされている岡和田先生(MBAホルダーでもあります)や院長の林先生とたくさんお話しできる機会もあり、本当に学びが多く、有意義な実習をさせて頂く事ができました。
Sunrise Japan Hospitalは北原国際病院念願の日本の医療のパッケージ輸出という構想の第一弾としてカンボジアに設立された病院で、アジア進出の試金石ともなっています。
ーー医療輸出について
日本の増加し続ける医療費は40兆円にも達しますが、その医療を産業化できれば自動車産業を超える産業が日本に生まれる可能性があります。
イギリスの政府によってコントロールされた医療も見てきたので、医療において中央集権的なコントロールの重要性ももちろん認識しています。ただ、その中の一部、産業化できる部分も大いにあると思います。
特に高齢者が増え続ける日本社会で、あらゆる市場が収縮していくなかこれからも需要の増大が見込まれるのが医療という分野です。
しかし一方で、医療は輸入超過産業でもあります。
医療機器や医薬品もそうですが、研究の分野(特に臨床研究)、臨床の分野でも国際ガイドラインの作成への参画などの面でも輸入超過といえるかもしれません。
これらの意味でもより日本が海外へ進出していく必要性は高いと言えるかもしれません。
ーーカンボジアへ
世界の途上国には自国内で十分な医療を行う事ができない国もたくさんあります。
そういったところには日本が医療を輸出する事で互いのニーズが一致すると考えられます。そういった国のひとつがカンボジアだったのだと思います。
カンボジアは1970年代のポルポト政権による国民の4分の1を殺したクメールルージュの大虐殺を経て、生き残った医師は40人ほどだったというデータもあります(特に知識層が殺された)
ポルポト政権終結後、民主化が進み、近年は経済が急速に成長し、中間層や高所得者層が増加してきています。
しかし、医療は結局マンパワーが重要で、ポルポト政権後40人しか医師がいなかったこともあり、経済発達と医療の発達には解離があります。
そのような状況なのでカンボジア人たちは医療が必要になるとシンガポールやベトナムへ行って医療を受けるため、カンボジアの富の流出にもつながっているのが現状です。
日本が現地で病院を建ててカンボジア人が自国で医療を受けられるようにする。
さらに現地の医療人の教育にも力をいれ、カンボジア医療の底上げを実現する。
海外に医療進出する病院の多くは高額な健診サービスや美容外科など富裕層ばかりにターゲットを絞った病院が多いですが、Sunrise Japan Hospitalは脳外科や消化器外科などクリティカルな診療科で、中間層を対象にした価格設定などを行い、医療輸出のあるべき姿を見られたような気がします。
医療は結局、国内問題で、その国の医療の自立を促すことができるような形でその国に根差した持続可能な支援が必要なのではないかと感じました。
見て頂きありがとうございます!!
カンボジアのプノンペンでの病院実習が始まります!
国試も終わってから2週間が経ち、卒業旅行で東南アジアをぐるぐるしています。
卒業旅行もとても楽しいですが、やはり学生最後の休みという事で
学生時代に行きたかったけど行けなかったプノンペンにあるSunrise Japan Hospitalに!
卒業旅行の最終地点を何とかプノンペンに設定し、友達とは別行動で3日間病院実習させて頂きます!
Sunrise Japan Hospitalは日本の八王子にある北原国際病院と株式会社日揮の合弁企業で病院を運営しており、病院内にはCEOもいたりします。
日本にはないアメリカみたいな感じですね(笑)
今回、Sunrise Japan Hospitalに来させて頂いたきっかけは2年生の春休みに2週間北原国際病院の経営企画室でインターンをさせて頂いた経験です。
2年生当時、カンボジアで日本人が病院を作るというニュースを知り、書店で北原先生の著書「病院がトヨタを超える日」を手に取り、
「いままで当たり前だと思っていた医療の様々な常識を疑え」と捉えられるメッセージはあの時の僕にとって非常にセンセーショナルに感じられました。
本を読み終わるとすぐに北原先生の講演会を調べて参加し、恐れ多くも講演後にそのままインターンをさせてもらえるようお願いに行きました。
インターンの2週間は北原先生の日本の医療を海外にパッケージ輸出するという壮大なビジョンや、医療そのものを再定義するかのような新しいプロジェクトの数々を知り、とても有意義で面白かった反面、自分の医療に対する無知や思慮の甘さに落胆した日々でもありました。
あれから4年経ち、その後も様々な経験や学びを絶えず積み重ねてきたつもりですが、いったい自分は成長できたのか
この3日間はその真価が問われる実習だと感じています!!
また明日からの報告を楽しみに待っていてもらえれば幸いですm(__)m
ダートマス腫瘍内科准教授、白井敬祐先生のインタビュー記事を公開しました!
まずは、
ついに国家試験終わりました!!!!
今年1年間は留学などで国試以外の勉強にもかなり時間をかけていたので、国試には内心かなりびびってました。
自己採点ではなんとかいけてそうなので、
うまくいってれば4月からはついに千葉の鴨川で研修医になることができます。
それでは、本題のインタビューです!
昨年秋、ダートマスでの実習中にお世話になりました白井敬祐先生にインタビューさせて頂きました。
アイビーリーグの隠れた名門、ダートマスの医学部のDartmouth Hitchcock Medical CenterのNorris Cotton Cancer Centerは全米最北端のNational Cancer Centerで腫瘍分野において臨床と研究ともに盛んな施設です。
白井先生はそこの腫瘍内科で准教授をされておられ、カンファレンスでも周りの腫瘍内科医、外科医の先生方からたくさんアドバイスを求められていて、とても周りから信頼の置かれている先生だなと感じました。
インタビューの内容は、腫瘍内科とアメリカの選択、アメリカでのキャリア形成、日米の腫瘍診療の違い、免疫チェックポイント阻害薬などざっくばらんにお話し頂きました。
医学生向けの記事ですが、もしよろよろしければぜひご一読頂ければ幸いです🙇♂️
ハーバード移植外科教授、河合達郎先生のインタビュー記事を公開します!
ハーバード大学の基幹病院で世界的にも有名なボストンのMGHに取材に行ってきました。
移植外科医として臨床と研究の両方をこなし、ハーバード医学部の外科教授でもある河合先生は、落ち着いた雰囲気で、とても暖かい雰囲気を持たれている方でした。
後進教育にも熱心で、日本の医学部から来た学生の実習も積極的に受け入れられていました。
今回は「臓器移植」に関してインタビュー以外にもたくさんのお話しをさせていただきました。
年間およそ2万5000件も移植が行われるアメリカに対し、日本は年間およそ300件程度に留まり、待機中に亡くなってしまった患者さんは6518人にのぼります。(1995年~2018年7月31日、臓器移植ネットワーク登録者)
1968年の和田事件以降の移植医療に対する強い不信感から長い停滞期を経て、1997年に臓器移植法が施行されてからも、その件数は少ないままで、そのなかでも特に6歳未満の子供からの提供が少ないのが現状です。
そして、日本で移植医療が受けられない場合、海外渡航して移植医療を受けるという選択肢がありますが、医療保険がないのでその費用は莫大なものになってしまいます。
受け入れ先の米国からは、自国で移植を行わない日本に対して批判もあります。
2008年の国際移植学会では「移植が必要な患者の命は自国で救える努力をすること」というイスタンブール宣言も採択され、海外での臓器移植はますます厳しくなってきています。
日本の移植医療の問題は死生観や法整備で語られがちですが、河合先生は全国の病院の体制整備や移植コーディネーターの不足、移植専門の内科医の必要性を語られていました。
国はリーダーシップを発揮し、それを推進するインセンティブ構造を作れるかが重要なポイントだと感じました。
アメリカや韓国など参考にできる例は多いのではないでしょうか。
手術後に、患者のドナーでもあるお父さんが、泣きながら河合先生に感謝していたシーンはとても印象的でしたが、健康な人の身体にメスを入れるという事に複雑な思いも抱きました。
このような文脈から、ドナーの不足という点に関し、個人的にはヒトの臓器を作るように遺伝子に改変を加えたサルやブタから作成した臓器を用いて、臓器移植を行うゼノグラフトに可能性を感じました。
実際にボストンには「e-Genesis」というゼノグラフトを用いた移植の実現を目指すベンチャー企業がハーバード大学の医学部のジョージ・チャーチ氏によって創業され、CRISPR/Cas9でブタのゲノムに組み込まれていて移植後感染症が危惧されていたPERV (Porcine endogenous retrovirus) をノックアウトしたブタの作製に成功しています。
現在、30億ドルの資金調達を得て、MGHと共同で臨床試験を目指しています。
一刻も早く1人でも多くの命を救うために、臨床現場だけでなく色んなステークホルダーを交えた議論を活発化していく事が重要だと感じました。
インタビュー記事本編は以下からどうぞ!
https://catalyst-med.work/2018/12/10/「情熱を失わないこと」前編/