医大生Kのブログ

CATALYSTという医大生向けWebを運営する医学生が書くアウトプットのためのブログです!大衆受けしないニッチな内容ですが少しでも自分の経験をシェアする事で誰かのお役に立てれば幸いです。

イチローカワチ先生のインタビュー記事を公開します。

2018年、残すところ僅かですね。

みなさんにとってはどのような年だったでしょうか?

今年は自分にとって、挑戦や試練が多い年だったと思います。

医学部に入って5年間自分がしてきた事は結局知識のインプットで、世の中に対して全く価値を提供できていなんじゃないのか。

ずっともやもやした想いがあり、学生であってもどうにか価値を提供できないか、留学途中もすごく悩みました。

そういった想いから少なくとも自分がしている留学などで得た経験や考えをシェアする事は、小さなアウトプットとなり、価値を提供できるのではないか、そう思いたちボストンでこのブログを開設しました。


学生として提供できる価値、自分の場合はこれまでたくさんのメンターの方々に出会えてきた事もあり、そういった出会いで得た知識や経験をシェアすることだと考えました。

そこで、このブログともう一つ別で、「CATALYST」というブログを本日開設しました。

想いが強すぎて少しダサいネーミングになってしまったかもしれません。笑

CATALYSTでは
①国内外で活躍するトップリーダーの先生方から医師のキャリアについてお話しを伺うインタビュートーク
②大学ごとで管理されているマッチング情報を公開することでマッチングの公平性を高めるマッチング合格体験記、
この2本のコンテンツを提供しています。


この活動の原点となったのは2018年9~10月にかけて行ったボストン留学での経験です。

ボストンは医療界にたくさんのイノベーションを起こしてきた街としても有名ですが、留学期間中の2か月間で広く様々な研究施設、病院、大学院等で勉強させて頂き、次の新しいイノベーションの種もたくさん感じる事ができました。

世界中から多様な人材が常に流入し(ボストンはハーバード、MITなどで有名な学術都市です)、新しい価値観、知恵、技術が導入され、あらゆる領域に医療系の垂直軸を持った人材がいる事で、そういった技術が発掘され、実際の医療現場に実用化されていく。

そういった意味で、医療の強さは医療系キャリアの多様性にあるのではないかと考えました。

一方で、日本の医学教育ではあまりこれからのキャリアについて学ぶ機会が少なかったように感じています。

日本にも尖ったキャリアを持った先生方がおられ、そういった先生方にインタビューしていく事で「多様なキャリアがある、道は一つではない」という事を発信していきたいと思っています。

また、立場に合わせた発信があると思っており、学生がする事に意味があると思い、自らブログを立ち上げ、この活動を始めようと思いました。

自分たちで考えた小さな一歩です、応援して頂けたら嬉しいです。

インタビュー第1弾は、公衆衛生領域の世界的権威、カワチイチロー先生です。

下記にURLを貼っておきます。是非チェックしてみてください。よろしくお願い申し上げます。

https://catalyst-med.work/interview/

イギリス実習日誌④~英国で考える医師の働き方~

 

ーー医師の時間外勤務、医師不足の地域は月平均160時間

 

医師の働き方改革をめぐる時間外労働の上限規制について厚労省がこの方針で調整を進めている旨が報告されました。

 

医師不足地域は例外として大幅緩和する代わりに次の勤務までインターバルなどの措置をとることを義務付けるみたいです。

 

ちなみに過労死ラインは月100時間以上、2か月だと月80時間なのでその倍に当たります。

 

英国での実習の中で感じた印象から今日はこの医師の働き方の問題に関して少しぼやきたいと思います。(笑)

 

 

ーーイギリスではどうなのか

 

いま僕が実習しているイギリスのEastborneという街は東サセックスという医療圏に属しており、531,200人に医療を提供し、精神科では115床の急性期と40床の長期リハ、20床の軽度犯罪精神の病床を所有しています。

 

とてものどかな港街で、日本でいう地域医療が当てはまるようなところだと思います。

 

日本の医療の常識で考えるとさも忙しいかのように思いますが、実はほぼみんなピタッと9時から17時勤務です。(研修医はもう少し長くいてる、かつその後バイトにいく医師もいる)

 

その後は夜勤の人に引き継がれるという形です。

 

実は去年Imperial College London関連の病院の小児外科で2週間実習した経験もありますが、その時も医師は8時から17時勤務で、その後は10時までの準夜勤、朝9時までの夜勤チームに引き継がれていました。

 

そうです、イギリスの医師のQOLはかなり高い!!!!!!

 

「主治医制ではなく、診療科全体で患者を診る」

 

その分、ハンドオーバーなどの簡便なプレゼン業務は増えますが、かなりのQOLを得る事ができるのではないでしょうか。

 

しかしこのシステムはNHSによって地域ごとの病院数がコントロールされており、一つの施設にリソースが集中しているからこそ成り立っていると感じました。

 

例えばImperial College London関連病院には小児外科医は20人ほどいましたが、日本の僕の所属する大学病院には小児外科医が4人(教授も含めて)しかいません。

 

リソースのない地方の病院でこのシステムはまだまだ導入ができないのが現実だと思います。

 

 

――実はイギリスにも劣悪な労働環境だった時代があった、変遷はどこか

 

ですが、イギリスの医療の歴史を見てみると実はイギリスにも医師の仕事が過酷だった時代がありました。「昔はもっとひどかった」と英国でお話を伺った先生方は仰っていました。

 

では、ここまで劇的に現状が変化した要因は何か、、、、

 

さかのぼると、1993年にEUで施行された欧州労働時間指令が施行、2000年に改正され、週の労働時間を48時間以内にすることが職種に関係なく施行されました。

 

英国では自国の法律よりEU法の方が上位にくるため、この改正に沿って医師の働き方も大きく変わり、医療のパラダイムシフトをうんでいます。

 

このパラダイムシフトを可能にしたポイントは個人的には以下の4つが、特に①が効いているのかな?と考えています。

 

①病院基盤からプライマリケア基盤の保健医療システム

・保険システムの総合的なパフォーマンス向上(コストだけでなく総合的な面で)

 

②病院から地域連携へ

プライマリケア医が医療のゲートオープナーとなる

・医療の90%はプライマリケアで完結するというNICEの研究結果がある

・Community-based Medicineのシステム

 

③治療から予防へ

・定額給付のGPに出来高払いを付加し、予防を進めるインセンティブを与えている

 

④医師単独からチーム医療へ

・Nurse Practitoner(制限はあるが処方権もある)、Physician Associate(診察や検査ができる)、Doctor Assistant(カルテを記入できる)、などのコメディカルが存在し、医師にしかできない業務に集中して取り組める

 

以上がざっくりイギリスに来て抱いた印象と調べた内容です。

 

 

ーー英国から学ぶ事と日本のこれから

 

イギリスの医療に対する批判でよくあるのが、「アクセスの悪さ」です。

GP診療所に行けば医療費は無料ですが、かなり待たされるから自由診療の開業医に行くという人も多いと聞きます。

 

ただGPの平均待ち時間も近年どんどん短縮傾向で、最近では3週間ほどです。

日々の外来でも急性期枠があって急な疾患には迅速に対応できるシステムが組まれています。

 

なかなか医療のシステムが変わらない日本にいると、英国のシステムがここまでドラスティックに変わっている事を知って驚きでした。

しかもその中でなんやかんやゆっくりながらもシステムの大きなPDCAサイクルが回っている事もすごいなと感じます。

イギリスの医療システムは「どういった社会で暮らしたいか」という国民の理念を体現化しているように感じました。

 

もちろんイギリスの医療は完璧ではありません。様々な問題も指摘されています。

でも、これがイギリスの選択です。

 

日本は税制、文化的・社会的背景などイギリスとバックグラウンドがかなり異なるので英国と同じ真似をしてもうまくいくとは限りません。

 

英国の事例を参考に、「我々はどんな社会で暮らしたいのか」をもう一度考える事が重要かもしれません。

 

みなさんにとって理想の医療とは何でしょうか?

 

読んで頂きありがとうございます🙇‍♂️

 

 

 

 

イギリス実習日誌③~地域医療を成立させるコメディカルの力~

 

週末が終わり、新しい週が始まりました。

 

週末はカフェでMECのサマライズ講座を見て国試の勉強したりしましたが、合間にEastborneの街を観光したり、普段と一風変わった気分転換ができました。

 

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Eastborneはイギリス現首相であるメイ首相の出身地で、観光が盛んな、のどかな港町です。

 

有名な観光スポットにBeachy Headという広大な海岸沿いの崖があり、有名な景勝地があります。

 

ハリーポッターナルニア国物語の撮影でも使用された場所ですが、もうひとつの有名な理由があるそうです。

 

自殺の名所

 

世界的に有名な自殺スポットらしく、世界中から自殺目的の人があつまってくるそうです。

 

ちなみに富士山の樹海も世界的に認知されているそう、、、

 

なにも知らずに行けば本当に綺麗な場所らしいですが、僕が行った日はあいにく曇天で風が吹き荒れ、いかにも怖いスポットに見えてしまいました💦

 

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さて、180°話を変えて今日の実習日誌です。(笑)

 

今日はコミュニティセンターで研修してきました。

午前中はコンサルタントの外来を見学、午後はPsychiatric Nurseと共に患者訪問にいってきました。

 

外来での症例をご紹介します。

 

#1 MS患者のdepression  

 

MS患者の50%はうつ症状を併発するらしいです。

前頭側頭野にも病変があり、Mild Dementiaも発症しています。

SNRIであるVenlafaxineで加療の方針となりました。

Promethazineは高齢者に効き、睡眠や興奮にも聞くが抗精神病薬認知症に悪影響があるそう。

 

#2 Schizophrenia(統合失調症

 

      薬剤の服用中止と共に再発した症例です。 

      妄想障害も発症しており、Drに不信を抱いています。

    かなり方針に難渋しておられました

 

#3 うつ病

   Down症の息子を院内感染で亡くし医療に不信を抱いていました。

   当時、自分が治療を把握できていなかったことを後悔し、自殺しようとしている

   来週に息子の葬式があるそうです。

 

   イギリスはNHSによってかなり医療がコントロールされている国です。

   つまり地域医療は一つの病院にリソースを集中しているので、

   医療不信がおこってしまうと他に行く病院もなくなってしまいます。

 

 

午後からは患者さんを自宅から病院まで送迎するTransfer serviceや薬剤変更に伴いモニタリング中の患者さん宅に精神科専門Nurseと共に伺いました。

 

Nurseには1から5までのGradeがあり、Specialist Nurseになると限られた範囲と医師に報告する義務はあるが処方権まであるそうです。

 

薬剤変更も入院管理下で行わず、専門の資格を持つ看護師が毎日自宅にモニタリングいく事で病院から地域に移す仕組みを成り立たせており、この仕組みはこれから日本で地域医療を成り立たせていく上でも重要なのではないかと感じました。

 

ちなみに医師であっても専門外の分野では、Specialist Nurseのほうが全然デキるらしいです。(笑)

 

ちなみにイギリスで新しく創設されたコメディカルにPhysical Associateがあります。

2年前に創設され、次の11月からやっとトレーニングを終えた1期生達が臨床現場に出てくるそうです。

診察、検査などを専門に行うコメディカルで、処方権はありません。

Doctor AssistantなどPaper workを中心に行う職種もあるらしいです。

 

このようなコメディカルもやはり地域医療にとって救いの手となりうると感じますが、

専門職ができすぎるとその分コストもかかってしまいます。

NHSはどうマネジメントしているのか気になるところです。

   

 

 

 余談ですが、こっちにきて病院のマネージャーと話す機会が何度かあったのですが、

元ナースの人が比較的多かったように感じました。

 

日本でもナースから経営にキャリアアップしている人もいるんでしょうか?

 

これからは日本でもコメディカルのキャリアアップをもっと考えた方がいいのではないかとふと思った真冬のイギリスの夜at December

 

 

 

あ、そーいやまだフィッシュアンドチップス食べてない(笑)

 

 

 

イギリス実習日誌②

 

最近の心配の種だった卒業試験、、、

 

 

実は今日結果発表でした。

 

 

なんと

 

 

合格

 

 

よかった、、、、、

 

卒業試験前に2か月も留学に行き、終わったと同時にまたイギリスに来てしまうふざけた学生を卒業させてくれる寛大な大学に本当に感謝します。

 

 

さて、今日の実習日誌です。(笑)

 

 

午前は男性精神科病棟のラウンドでした。

 

精神科病棟は身体的には問題のない人が多いのでラウンドは患者さんが医師やコメディカルの待つ小部屋にやってくるというスタイルです。

 

抗精神病薬を使用する前にはLong QTに留意して、心電図で通常のQT間隔を図っておきます。

 

また英国には精神疾患に罹患もしく疑われる人への対応や権利について体系的にまとめられたMental Health Actという法規があり、様々な状況に関する個々のSectionで細かく規定されています。

 

患者がどのセクションで入院しているのかなどによって入院期間や治療目標が変わります。

 

外来を見学していると、話を聞いている分には一見「全然普通やん!」と思っても、

 

カルテを見るとびっくりするくらい実際と違う事を言っていたなんて事もありました。

 

 

 

午後はCrisis Teamというチームに配属され、業務を見学させて頂きました。

 

地域で診ていた患者やGPからの紹介に対応するチームです。

 

驚く事に精神科疾患のPrimaryな対応はGPでも行われていて本当にGPのカバーする範囲は広いなと思いました。

 

その中でSecondaryな介入が必要と思われる患者がCrisis Teamに紹介され、アセスメンスされ、その後の方針が決定されます。

 

より具体的にはまずはチームの看護師が患者宅に訪問して3日間経過を観察し、リスクを多方面からアセスメントします。

 

この3日間でHoNOS Scoreというスコアリングシステムで評価を行い、Care planを立て、Carerなどの環境評価も行います。

 

アセスメントした結果、Early Intervention Teamに紹介し、積極的な介入をするのか、Communityで紹介するべきか、入院適応なのか、経過観察にするのかを判断します。

 

Crisis Teamで研修して患者さん宅の訪問にも同行させて頂きましたが、比較的若年の患者が多い印象を受けました。

 

チームの看護師さん曰く、ここ5-6年で薬物乱用による精神障害が増加しているみたいです。

 

薬物乱用で一度精神症状が出てしまうと、完治させるのが難しく、症状のコントロールが介入の目的になるそうです。

 

また薬物乱用は薬物にアクセスのある東欧からの移民増加に伴ってこの地域で増加していると仰っていました。

 

薬物が低所得者にとっての手っ取り早い収入源ですが、背景に最近英国で指摘されている貧富の格差の拡大があるのかなと感じました。

 

 

 

実習日誌感覚で書いたらあんまり面白くないかな?笑

 

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イギリス実習日誌①~地域で診る~

 

現在、イギリスはサセックスでの精神科研修をしています。

 

GPでも研修したかったんですが、なかなか欲張りすぎるより今回はしっかり精神科のCommunity therapyを見た方がいいかなと思っています。

 

とは言っても、イギリス滞在最終日にはイギリスのGPの先生とお会いするアポイントは取っていてたくさんお話を聞かせて頂こうと思っているのですが(笑)

 

 

実習期間中は自分へのリマインドも込めて、このブログに学んだ事をシェアしていきたいと思いますので、もしよければちょいちょいのぞいてみてください!!

 

 

今日はまさにCommunity therapyを行うSt. Marry’s Houseでという施設での勉強してきました。

 

ここはCommunity Therapyのための施設で、精神科以外にも様々な行う部署があります。

 

僕が研修したのは精神科の中のold age phychiatry teamという高齢者の精神疾患を専門にしたチームです。

 

ちなみにPsychiatristの専門にはchild and adolescent, forensic, general, medical psychotherapy, old age, psychiatry of intellectual disabilityがあります。

 

チームにはConsultantと呼ばれる上級医, Fellow, Trainee, Nurse, Advanced Nurse Practitioner, OT, PT, 言語聴覚士 (SLHT)などからなるチームでGPから紹介のあった患者のプランを作成し、そのケアプランを実行します。

 

カンファレンスでは紹介のあった症例に対してチームの各々のメンバーが自分の専門性からコメントしている様子がとても印象的でした。

 

コメディカルの専門性がかなり高く、専門医が少なくてもコストエフェクティブに地方の精神科医療が成り立つようなシステムには見習うべき点が多いのではないでしょうか?

例えば言語聴覚士は失語や嚥下障害の診断なんかもほぼ自立してすることができ、医師にアセスメントして診断が決まるみたいなプロセスはこれぞチーム医療という印象を受けました。

 

そしてCommunityで患者を診るために施設ではYoga、Art、Cookingなどをはじめ、様々なプログラムが組まれています。

 

一方、施設にこない間の時間のモニタリングも大切でLifelineという高齢者が首からかけているアラームで押せば施設のコールセンターに連絡が入るようなものがあったり、

 

他にも火事を知らせるSmoke detector, 洗面台が溢れていることを知らせるFlood detectorなど高齢者独居世帯をモニタリングする仕組みがあります。

 

 

地域で患者を診る仕組みはまだまだ自分が思っているより大きそうですが、引き続きたくさん学んでいきたいと思います!!

 

 

おまけ:

英国における医師のキャリア

医学部卒業後Foundationと呼ばれる2年間の研修医プログラムがあります。

その後、専門医研修に進む場合は3年間のCode Training、6年間のSpecialty Trainingを経て、Consultantと呼ばれる上級医につくことができます。

ちなみにConsultantになると開業医にバイトにいったりしてかなり高給が望めるみたいです。

GP研修はまた別のプログラムがあり、Foundationの後、3年間のGP研修を経てGPとなります。

GPの国、イギリスへ

 

久しぶりの投稿です。

 

最近は本当に忙しい日が続いていました。

 

先日卒業試験が終わり、数日して気付いたらイギリスはSussexに来ておりました。(笑)

 

そもそもボストン2か月行ってたせいもあって、卒業試験ほんとに厳しかったですが、それにも懲りず、また臨床実習です。(笑)

 

大学に留学プログラムがないため、自分でアプライするとこうなってしまいました(笑)

 

楽しいし、刺激的な毎日だから全然いいんですが、国試だけが怖いです!!

 

 

今回、SussexにはPsychiatric Departmentで研修させてもらっています。

 

正直、大学の精神科では勉強したいことは何一つ学べませんでしたが、

 

こっちは先生方がとても熱心でいろんな事を教えてくれます。

 

日本では薬物療法がまだまだ中心の精神科ですが、イギリスではCommunity-Based Medicineが中心です。

 

精神科疾患の患者さんを急性期だけでなく、地域全体で見ていこう。

社会とのつながりを作ることで孤立しないようにしようといったグループケアも行っています。

 

なんかボストンでカワチ先生から学んだソーシャルキャピタルを彷彿とさせられ、学んだ事がお互いに繋がってきたようにも感じます。

 

今日はリエゾンチームに入って、主に病棟からのコンサルに対応します。

 

初めのコンサルはParkinsonの患者さんのStrokeという日本でも起こりそうな症例でした。

 

合併症も多く、polypharmacy状態。

 

その中に、ありました、ハロペリドール

 

 

さあ明日からもまた実習頑張ります!!

 

時間があればまたイギリスのGP制度や精神科診療についてゆっくり書きたいと思います。

 

 

ベンチャー企業が集結!?ケンブリッジイノベーションセンターに行ってきました。

university.blogmura.com/university_idai/ranking.html

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お久しぶりです。最近はいろんな事に追い詰められハードな日々を過ごしています。

 

 

 

ベンチャー企業、スタートアップと言えば

 

東海岸より西海岸、特にシリコンバレーが有名ですが、

 

実はボストンにもベンチャーハブ的な施設があります!!

 

それが今回紹介させて頂く、

 

ケンブリッジイノベーションセンターです。

 

KendallにあるMITのすぐ近くにあり、ボストンでは通称CICと呼ばれています。

 

CICはMITやHarvardと距離的にも近く、普段はスタートアップへのコワーキングスペースの提供や、アカデミックや学生にアプローチしたい企業へのオフィス提供などを行っていたり、その他さまざまなテーマの勉強会などが毎日毎日開催されています!

 

ボストンでの様々な人材の交流の場、スタートアップと投資家のマッチングの場になっていたりと、ボストンの人脈構築に大きな役割を果たしている施設です。

 

基本はこれらのサービスは会員向けに提供されているんですが、

毎週木曜日はすべての施設が解放されていて誰でも無料で利用する事ができます!!

 

「Venture Cafe」と呼ばれていて、ビールやお酒もあれば、軽食もたくさん提供されていて、毎週変わる特定テーマのスタートアップのプレゼンなんかもいろんな部屋で行われています。

 

僕が参加した「Venture Cafe」ではBLUE TECH というテーマで海や水に関するスタートアップ企業がたくさんネットワーキングをしていました。

 

あんまり知らない分野でイメージわかなったんですが、

海の中の様々な音を蓄積してビッグデータにし、AIに分析させて、海の中をリアルタイムに知ろう!とか。。。

 

他にもテーマに関係なく様々な人が来てるのでとても面白く、僕が話したインド人のボストン大学の学生は

 

車のナンバープレートにセンサーを取り付けて、人を感知したら光って知らせるナンバープレートとか持ってきて僕に一生懸命説明してくれました(笑)

 

It will never fly!!(うまくいかねぇよ!!)

 

あやうく言いかけてしまいましたが、なんとかこらえる事ができました(笑)

そもそも車のライト光ってるやろ!!(笑)

 

 

他の週のVenture CafeではOracleが自身が打ち出すAI PlatformであるOracle Autonomous Claud Platformをアピールしていたり、積極的に企業アピールする場としても活用していました。

 

また日本の北海道から北海学園の生徒たちが「Japan」と書かれた赤いポロシャツを着て大量に入ってきてかなり目立ってましたね。

 

北海学園の先生たちが地域活性化のために主催している活動の一環のようで学生たちもとても刺激を受けているようでした。こんな素晴らしい取り組みを積極的にしている先生がいるなんて本当に素敵ですね。

 

いまのところはまだないですが、Health Careがテーマの時もあるみたいなのでタイミングあえばまた行ってみたいですね。

 

なんせボストンはヘルスケアスタートアップ、バイオ系やヘルステック系のベンチャーが多いですからね。

 

臨床や研究だけではなくヘルスケア企業レベルでもボストンはとても盛り上がっていますから。

 

何個か個人的に注目しているボストンのヘルスケアベンチャーを紹介すると、、

 

①「e-Genesis

 

移植関連のベンチャー企業なんですが、ブタに人の移植用臓器を作らせるという事をしています。

実はこれ、なかなか研究が進んでいて割と実用化されそうだと言われています。

豚の遺伝子に人の遺伝子を導入して人の膵臓を作らせるといった研究は日本でも数年前からされていましたが、その時に問題となっていたのがPARBといわれる抗原性を持ったたんぱく質も一緒に作られてしまう事でした。

競合となる移植関連ベンチャーは多々ありますが、e-Genesisは今はやりのCRISPR/Cas9という遺伝子導入技術を使う事でPARBをノックアウトし、抗原性を持たない移植臓器の開発に唯一成功しており、本命企業と言われています。

ハーバード関連の基幹病院MGHとも連携しており、30millionものマネーの調達にも成功しています。

CEOのルハンヤンさんはまだ30代前半くらいです!!もう30million。。。。

恐ろしいですね。。。

でも実はルハンヤンさんは中国人でこの30millionは中国マネーです。

アメリカに来てやはり中国の存在感と、中国人たちのネットワークの大きさには毎回すごいなと思わされますが、こういったところもやはり強いんですね。

 

②「Boston Dynamics」

 

この企業はすごく有名なんで知っている方も多いと思いますが、

是非是非紹介させてください!!

もうベンチャーって領域も超えてる気もしますが(笑)

 

もともとはMITでロボットと人工知能に関する研究をしていたマーク教授がMITからスピンアウトさせてベンチャーを設立しました。

そうです、ボストンではこういったアカデミックからもスピンアウトがとても多いんです。

その後、Googleのロボティクスプロジェクトに関連して買収され、そこから現在はなんと日本のSoftbankが子会社を通じて買収しております。

 

なにはともあれ実際に動画を見てみてください。特にAtlasやばい。

Boston Dynamics is changing your idea of what robots can do. | Boston Dynamics

 

やばくないですか!?!?

将来的に脊髄損傷患者や下半身麻痺患者への応用も期待されています。

 

 

以上が簡単なボストンベンチャー紹介です。

実は2018年はVCからのHealth Care関連スタートアップへの投資が最高額を更新し、分野別でも一位となりました。$10.6 Billionというとんでもない額がヘルスケアスタートアップ新規に投入されています。

 

世界ではどんどんヘルスケアスタートアップが過熱し、新たな市場をどんどん創出していっていますが、日本はここでも大きく出遅れています。

理由の一つに挙げられているのは、ヘルスケアスタートアップを扱えるVCが日本にはまだまだいないという事が言われています。日本では有望なヘルスケアスタートアップが誕生してもなかなかVC側に判断できる人がおらずなかなかお金が集まりません。

 

そういった意味でも日本でも様々な分野の専門家があるテーマのもと集まって意見を交換する、マッチングをする場はとても重要ですね。

 

 

 

 

 

そしてそしてそして、その場はなんと東京でもできつつあります。

 

先ほどご紹介したボストンのCICがついに

「Venture Cafe Tokyo」

をオープンしました!!!!!

 

Venture Cafe Tokyo | Venture Cafe Tokyo - Connecting innovators to make things happen

 

 

これはいくっきゃないのではないでしょうか。

 

僕も研修医になったら東京に出る予定なので是非参加しないと。

 

 

おしまい。